孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「…え、今から?今、結愛ちゃんといるんだけど、連れてってもいい?」

「ちょっと、何言って…!」

「やったあ!!じゃあ今から行くね、バイバイっ!」

「あの、香川さんっ!」

「どーしたの?結愛ちゃん」

「どうしたの、じゃなくて」

今から行くって何よ。

だって、今から午後の授業が…。


キーンコーンカーンコーン…

あ、予鈴が鳴った。


「あのね!拓くんが急いで溜まり場に来てって!」

「……、」


そんなことだろうと思ってたよ!

なんたってこの人たちは自由人なんだから。


「結愛ちゃんも来てくれるよね」

「…行かないって行っても、」

「連れていくけどねっ!」


彼女は悪戯に笑みを浮かべ、私の腕を引っ張った。

そうして私は、また鞄を置きっぱなしにして学校を去ることになったのだった。


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