孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「たーくくん!ただいまぁ」

「佳穂、おかえり。高野さんもいらっしゃい」

「お邪魔します」


此処は四人が住んでる家じゃない、はずなのに毎回この挨拶をしている彼らは、私から見ればなんだか変な感じだ。


「…何でお前までいるんだよ…っ!」

「僕が許可したんだよ」

「チッ」

おお。

成宮 隼人が私のことを嫌っているのは重々承知しているが、今日は機嫌が悪いようでいつもより荒れている。


香川 佳穂が"ピリピリしてる"って言っていたのはこのことか。


苛立っているのは成宮 隼人だけみたいだけど。

チラッと逢坂 湊に目を向けてみれば、窓の外をぼうっと眺めているようだった。


「急に呼んだりして、どーしたの?」

「うん、隼人が予想以上に苛々してるからさ。今日は帰った方がいいと思って」


…はい?

一人が帰るなら、あとの二人も帰るわけ?三人が帰ったら、香川 佳穂も帰らないといけないわけ?

"三人組"の彼女さまも大変だな。


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