冷たいなら

「ごめんな。

俺ちゃんと沙里の気持ち、考えたことなかった」


そう言いながら彼はあたしの体を優しく起こして、抱き締めてくれる。


こんな事されたら今までのことを許せるあたしを、彼は知っているんだ。


「俺は沙里と別れたら生きていけない」


「大丈夫だよ。

あたしは弘也と別れないから。


その代わり約束して。

他の女の子じゃなくて、彼女であるあたしを優先するって」


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