届かないこの想いを、胸に秘めて。
私の席は一番後ろの廊下側。
だから、余計その声が大きく聞こえる。
声がだんだん近く、ハッキリ聞こえてくるから、もうすぐこの前を通過するんだろう。
そう思ったら、息ができないくらい緊張してきた。
「今日の体育サッカーだって」
「まじか、頑張んないとな」
「って淳介が敵チームだったら適わんわー」
そんなやり取りが近くで聞こえた。
うわ、声がっ、こんなに近くにあるっ。
声だけでこんなにドキドキしちゃってるってどうかしてると思う。
でも、それくらい好きになってしまったんだと思った。
この想いは儚く終わるのに。