届かないこの想いを、胸に秘めて。
…………どうしよう。
あんだけ意気込んでいたのに、いざ実行を起こそうと奮い立たせるんだけど、ちっとも前に進まなくて。
そのままズルズルと。
そして、放課後を迎えてしまう時間が来ようとしていた。
言うタイミングはいっぱいあったはず。
朝だって、昼だって、一緒にいた。
なのに、距離があるせいかなかなか行きずらくて。
その壁を破っていかないといけないのは、私なのに。
香奈恵ちゃんは、私の大切な友達で親友だ。
このままだと、この関係のまま夏休みに入ってしまう。
そんなの……っ、やだよ。絶対に嫌だ。
だって、前から3人で楽しく過ごすって話てたんだもん。
夏祭りに行ったり、お泊まりしたり……いろいろ計画立ててたんだもん。
それが全て無くなってしまうと思うと、喉がヒリヒリした。
HRは始まっているけど先生はまだ来ていない。
……もうタイミングなんて見つけないことにした。
もう先生が来ても、いい。
みんながいても、いい。
香奈恵ちゃんに、ちゃんと伝えないといけないんだ。
席を立って、香奈恵ちゃんの元へ歩み寄った。