届かないこの想いを、胸に秘めて。





「なんでかなっ?」



私は早速2人に相談することにした。


テストが近いため、今日は和海ちゃん家におじゃまして3人で勉強会をすることに。


もう10月の最終週に入った。
外はどんより曇り空が続く日々で、肌寒くなっている。

空気も乾燥していて、色付いた木々から茶色の枝がところどころ覗いてみえていた。



もうすぐ冬が来るんだと肌で感じた。




「え、なにが?」


一旦休憩に入ったタイミングで、思っていることを話したらあっけらかんとした声が返ってきた。


ちょ、香奈恵ちゃん……。



「今の話聞いてた?」

「ごめん、これに夢中で……」



これとは、ポテトチップスだ。
期間限定と書いてある通常より一回り大きいサイズのそれを抱えて言った。



……ポテトチップスー。

私はそれを睨んだ。



「ま、まぁまぁ!せっちゃん!香奈恵なんかほっといて私に話してよ」


少し慌てた和海ちゃんが私に笑いかけるから、私は冷静になって頷いた。


もう、香奈恵ちゃんなんて知らない!
せっかく隠さずに打ち明けたのにっ。


香奈恵ちゃんと目が合ったから逸らした。



「え、ちょ。ごめんってー!雪菜〜!ちゃんと聞くから!」

「ちょっと香奈恵!それ投げるな!」


大きな袋をその場に投げて私にすがりつく香奈恵ちゃんに、和海ちゃんがつかさずチョップをした。


それに笑うと、2人も笑い出すからまた可笑しくなった。









< 150 / 306 >

この作品をシェア

pagetop