届かないこの想いを、胸に秘めて。
でもその言っている意味が分からなくて、私は頭にはてなを浮かべた。
「だからね?過去の恋は恋愛感情じゃなかったから、これっぽっちも伝えようとは思っていなかったってこと!」
「………………??」
まだ理解が出来ていなくて更に首を傾げた。
その様子をみた和海ちゃんが「ごめんねー!私も言ってて分からなくなってる!」
と頭を抱える。
いや、謝るのは私の方だよ……。
理解出来ない頭を持ってることに申し訳ないよ。
ふたりでしょんぼりとした雰囲気を出していると、一人ポツリと呟いた。
「……友達と好きな人っていう区別、的な?」
香奈恵ちゃんの小さな一言に二人一緒に振り向く。
「え……なに」
その勢いに圧倒された香奈恵ちゃんは引きつった顔をしていた。
そこに和海ちゃんが四つん這いになって素早く向かっていく。
それから手を強く握ってブンブン振った。
「ねえ、痛い、んだけどっ」
「それだよーー!一番わかりやすい!!」
痛がる香奈恵ちゃんとは反対に、和海ちゃんはとてもスッキリした表情をしていた。
まだ手を握って振る和海ちゃんは、私に顔を向けては共感を求める声をあげるから、何度も頷いた。
香奈恵ちゃんが言ったことはとてもわかり易かったから。
確かに過去の好きだと思っていた人は、唯一友達と呼べる男の子だった。
小学生の時は友達っていうより、幼なじみで。普通にきょうだいのように遊ぶ仲だった。
中学生の時は、その時に一緒にいた友達を通じてその男の子と話すようになった男の子。
今でもたまーに連絡をとる友達。
さっきの記事には好きな人と憧れの人の見分け方をチェックする項目で、
それに今までの恋と、今の恋を比較して明らかになったんだ。