届かないこの想いを、胸に秘めて。
「さっきの記事、もう一回みてみよ」
そう言った和海ちゃんが素早くテーブルに近寄る。
そして置きっぱなしのスマホを手に取って要点となる文を読み上げた。
「好きな人が、同性だったらこんな気になったりすることはない」
……それはよく分からないけど、多分そんな気持ちにはならないかな?
それに、頷く。
「好きな人の欠点を知っても許せたり、そばに居たいって思う」
……キミだったら何でも許せちゃいそう。
だからこれも縦に振った。
「手を繋いだり、キスしたり……恋人としての行為を好きな人としたいと思う」
うっ。それは……、恥ずかしいけど。
キミと、もしそうなれるんだったら、したい……かなっ。
だから、ぎこちなく頷く。
「好きな人に、彼女ができたら?」
という最後の質問に私は思いっ切り首を横に振った。
この全ての質問にさっきも同じような反応を見せた私。
更には、過去の相手と照らし合わせると全く違う反応をしたから、これでもうハッキリと区別がついた。
好きな人と友達に対しての、感情を。
2人は笑顔で見てくるから、なんだか居た堪れない感覚に襲われて、顔を手で覆った。