届かないこの想いを、胸に秘めて。
和海ちゃんの口からはグサリと心に突き刺さった。
でもなにも感じなかった。痛くも痒くもなかった。
それよか、心にスッと馴染んでいった。
本当だったら、苦しくて悲しくて、泣きたくなるはずなのに。
『桃田さんは、中村くんが好きらしい』
そう言った和海ちゃんの顔は私と正反対の表情を浮かべてた。
なんでそんな顔するんだろうと思った。
だってあの時と同じ顔をしていたから。
私には恋より、友情が大事だと伝えた日と。
きっと分かっていたんだと思う。2人が名前で呼んでいると知った日から。
だから、あっけらかんとしてるんだ。
でも一つだけ思ったことがある。
『幼なじみっていいな』って。