届かないこの想いを、胸に秘めて。





「うは〜っ!」

「ちょっと、ちゃんと上着なさいよ」

「そうだよ香奈恵ちゃんっ。ここ家じゃないよ」



お風呂から上がった私たちは自室に戻ってきてそれぞれ口々に言う。


私と和海ちゃんはちゃんとルームウェアを着てるのに、香奈恵ちゃんてば……。




「だってお風呂暑かったし。誰も来ないからイイじゃん」



そう恥ずかしげもなく言った彼女は下はスウェットを履いていて、上はブラ一枚という……。




いや、ほんと。家じゃないんだよ?ちゃんと着ようよ。




そう思いつつも、引き締まった体に見惚れてしまう。



腹筋が程よくついてて、くびれもちゃんとある。
誰もが羨ましく思うスタイルだと思った。





「うわー、雪菜が変な目で見てた!」

「ち、違うし!」

「嘘だね。私の体ガン見してたくせに〜この変態雪菜!」

「違うって言ってるじゃんー」



まあ、見てたのは事実だけど。変態じゃないもん。


2人でぎゃあぎゃあ言い合っていると、和海ちゃんが仲裁に入ってきた。

でもそれがさらに火種となるわけで。









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