届かないこの想いを、胸に秘めて。




結局3人で言い合うことに。



ほぼ和海ちゃんへの妬みだった。




後半は和海ちゃんと香奈恵ちゃんが言い合ってるのを、そばで笑って見てたんだけど。



熱がおさまると、室内が静まり返った。そして笑う。

くだらない話でこんなに熱くなったことに可笑しくなったから。
和海ちゃんから伝染したかのように、笑いが起こった。






「てかさ、もう着た──」




──コンコン!




ドアが叩かれ勢いよく開いたその向こうに、にこやかな男の子が立っていた。

でもその表情は瞬時に色を変えていく。



そして、思い切りドアが閉められた。






「「「……………………」」」


3人して同じ方向に顔を向けたまま、固まる。




「……え。いま、さ」

「見た、よね……?」

「う、うん。確実に……」




ゆっくり顔を見合わせて、静まり返った後、部屋中に悲鳴が大きく響きわたった。








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