届かないこの想いを、胸に秘めて。





「だから言ったじゃん!」

「そんなん知らないよ!」



鴇田くん達を迎え入れてからも二人の言い合いは続いていて、なんだか男の子たちには申し訳なく思った。




「……なんかごめんね。……見ちゃった、よね?」



そう聞くと言いにくそうに口ごもりながら鴇田くんが首を縦に小さく頷いた。



「いや、俺が勝手に開けたのが悪いから」


まぁ、びっくりしたけど、と付け加えて困ったように笑った。




「で、男子達は何しにきたの」



和海ちゃんが腕を組み聞いた。


もう言い合いは終わったみたいで、2人は私と鴇田くんの間に入り込んできた。


終わったというより、矛先が男子達になったって感じに思える。




「え、ただ遊びに来ただけ……って西本、怖い」

「見たでしょ」

「……み、ちゃいましたけど」

「変態」


香奈恵ちゃんが白い目で鴇田くんを見るやいなや、のそりと立ち退いてキャリーバッグからなにかを取りに行った。




「あいつ、何してんの……?」

「「わかんない」」

「お前をシメようとしてんじゃないの?」



そう発した鴇田くんの隣をみた。








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