届かないこの想いを、胸に秘めて。
「ハーイ、UNO大会始めるよー」
香奈恵ちゃんの声とともに、人数分にカードが配られ、UNO大会が始まった。
出番が回ってくるたびに一枚カードを出していくだけなんだけど、
私の心臓がうるさいくらいに鳴ってる。
……どうしよう。緊張して変な汗かいてきちゃった。
というか、和海ちゃん!
変な気を遣わなくていいのにーっ。
和海ちゃんが勝手に移動して、勝手に声をかけたから……。
だからキミは私のすぐ横にいる。
しかも意外と近い。
もしかしたら、この音が聞こえてるかもしれない。
その心配は必要なさそうだけど。
だってキミは鴇田くんと喋ってるから。
この笑顔をいつまででも見ていたいなって思う。
あわよくば、もっとキミの近くで。