届かないこの想いを、胸に秘めて。





小さなUNO大会は終了して、みんなで談笑中。



負けた香奈恵ちゃんは和海ちゃんに慰められ、鴇田くんにいじられていた。



なんか鴇田くんって、香奈恵ちゃんのこと好きなんじゃないかなって思う。

よく弄ってるの見るし。


香奈恵ちゃんはサッパリし過ぎてるから、反応を楽しんでいるのかもしれないけど。



ふと部屋の隅にある、デジタル時計をみた。


あと15分経てば就寝時間が来て、先生たちが見回りにくる。



それなのに、この部屋には男の子が4人。


すこし不安に感じた。
早く戻らないと、先生に怒られるんじゃないかなって。



キミも巻き込まれてしまうと思うと、罪悪感がぷくぷくと湧き出てきそうになった。





「「…………」」


みんな楽しそうにしてる中、私たちのところだけ空気が異様に重く感じる。




……その前になんでこうなったのか分からない。

なんで?


みんな同じ部屋にいるのに。


私とキミは部屋の真ん中でぽつんと横に並んで座ったままでいる。

さっきUNOをしていた位置のまま。








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