届かないこの想いを、胸に秘めて。





12月に入ると、一段と寒さを増した。


マフラーをしてても寒くて、カイロを持ち歩いてても寒くて、冬本番なんだなと感じる。

木なんて枝だけになっている。その下や、道端には落ち葉が集まっている。



たまに歩道に落ちている枯れた葉を踏むと、乾いた音が小さく鳴るから、空気も乾燥しているんだなって思った。




駅のホームで電車を待つ。

ここは風通しの良い場所だから冷たい風が肌に突き刺さって、痛く感じた。




今日は遅く家を出てきちゃったから、いつもより一本遅い電車に乗ることに。

だから、こんなに待つことになっているんだけれど。
といっても電車が来るまであと2分そこら。


それでもこの2分は私にとって長く感じた。





アナウンスが流れ、電車が速度を落として止まった。

中はとても暖かくて冷えた肌が温かさを取り戻す。




ドアに身を預けて外を眺める。

こうすると、キミと一緒に帰った日のことを思い出すんだ。

はじめて名前を呼ばれた日とキミのぬくもりを感じた日を。



今月も委員会があるから、キミに会える。
今度は自分から挨拶できるといいな。



まだ2週間も先のことを考えてしまう私って、どうかと思うけど。

キミを想うと仕方のないことなんだ。










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