届かないこの想いを、胸に秘めて。




「座ってちょっと待ってて」

そう言って彼はどこかへ行ってしまった。



木製のベンチに座って彼が行った方向に目を向けると自販機があった。


そして、ここは小さな公園だと気付く。


首を横に向けると道路が見えた。
この場所は学校と駅を繋いでる道の途中にある公園なんだと思った。





「はい、どうぞ」


手渡されたの背の低いペットボトルで、温かいココアだった。



「……ありがとう」

「ごめんね、こんなところで」



その言葉に首を振った。

謝るのは私の方だから。


鴇田くんは場所に対して誤っているんだろうけど、私の場合は全てに。


私なんかほっとけばいいのにと思ったけど、彼の性格上通用しないと思ったところで、驚きの一言を耳にした。





目を見開いて彼を見た。




……なんで、知ってるの?

私の、気持ち。





「その反応は当たりなんだ〜」


私に微笑んでから空を見上げる鴇田くんの横顔に、胸が苦しくなった。




その表情はどこかで見たことある気がしたから。

苦しくて、切なくて、心なしか泣きたくなるような、そんな表情(かお)。









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