届かないこの想いを、胸に秘めて。





先週、鴇田くんに想いを告げられたその翌日のお昼頃。


とくに用事もなかった私は、リビングにある3人がけのソファーに横になっていた。



その時、テーブルに無防備に置かれてあったスマホが音を鳴らした。


音を聞いて親友からじゃないと確信して、急ぐこともなくちょうど鳴り止んだ時に画面を開いた。




【月曜日さ、一緒に学校行かない?】



鴇田くんからの短いメッセージが表示されていた。


これが委員会以外で初めてのメッセージ。


だから、間違えて送ったんじゃないかと疑ってしまったんだ。




間違えじゃなかったと気付いたのは、5回目のやりとりで。



彼はどんな気持ちで私にメールを送ったのだろう。


たぶん、とても緊張したんじゃないかな?

だって、好きな人にだもん。


て、自分で言うのもなんなんだけど。
私もそうだと思うから。



キミの連絡先は知らない。

でももし、連絡先を知っていて、キミの名前を電話帳から探して、送るってなると……。



絶対に、確実に、緊張の度を超えてしまうと思う。
そして、送るのにも時間がかかりそう。



だから、鴇田くんもそうやって送ってくれたんじゃないかな?







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