届かないこの想いを、胸に秘めて。
学校ではなるべく笑顔でいようと努力した。
やっぱり2人には困らせたくないから。
これは私の問題だ。
2人にはこんなことで巻き込むわけにはいかない。
和海ちゃんには和海ちゃんの。
香奈恵ちゃんには香奈恵ちゃんの日常があるのだから。
こんな小さく醜い気持ちにわざわざ付き合ってもらう必要なんてない。
そう思っていたのに。
2人は私を心配するから我慢なんてできなくなってしまった。
あの日のことを隠さずに言ったら2人は優しく包んでくれた。
香奈恵ちゃんはただ無言で頭を撫でて、和海ちゃんは一緒に泣いてくれた。
それがとても嬉しかった。
泣きながら『ありがとう』と言うと2人は笑って言ったんだ。
『悲しいときは無理しないで泣きな』と香奈恵ちゃんが。
『一人で抱えないで、もっと私たちを頼っていいんだよ?』と和海ちゃんが。
更にはふたりの声が同時に重なった。
『共有させてよ』って。