届かないこの想いを、胸に秘めて。





委員会か……。
どうしよ。

本当は図書委員がやりたいなって思うけど、去年やったから譲らないといけないのかな。

多かったら、抽選で自己アピールしないといけないみたいだし……。


それは絶対避けたい。
人前で話すなんて私にはムリだもん。



教室のドアがガラッと開いて、寺司先生が入ってきた。

そして、学級委員2名を呼んで進行を頼んだ。


「えーっと、はいでは。これから委員会・実行委員会の役割決めを始めます」

そう喋ったのは、親友の和海ちゃん。



成績優秀な和海ちゃんはこれで2回目。


この学校は進級してすぐお試しテストが行われるんだけど。
そこでクラス男女別で1位になった人が学級委員になるという決まりがある。


和海ちゃんが進行させて、番(ツガ)くんが板書をしてる。


話はどんどん進んでいって、図書委員の立候補者を問いた。


手を挙げようとしたけど、私はすぐ机の下に手を置いた。



案の定、たくさん手が挙がってたから。
ざっと見、6人。

私が手を挙げたら7人になって、そこから抽選すると思うから。




「せんせー、どうやって決めますか」

和海ちゃんが、先生に問う。


後ろでうたた寝をしていた先生は、目を瞬きながら「おまかせするよ〜」と言って、腕を組んで眠ってしまった。






< 22 / 306 >

この作品をシェア

pagetop