届かないこの想いを、胸に秘めて。
早くキミを諦めたくて、星空に願った。
こんな苦しい日々が続くのなら、早くこの想いに終止符を。
そして解放されたいと。
そう夜も朝も神様に願ってた。
でも今、願わなければよかったなんて思ってる。
『好き』
そうキミは桃田さんに告げていた。
優しさと愛しさが混ざったような、柔らかくその場に響いたキミの声。
私にはそう聞こえた。
神様はなんで私をこんなにまで苦しみを与えるの?
私、そこまで願ってないよ?
ただ諦めるために少し助けを求めていただけなの、にっ。
「ぅ……聞いちゃ、た、……やだよっ」
背中をテンポよく叩く香奈恵ちゃんはただ無言でいる。
……香奈恵ちゃんがいてよかった。
ひとりだったらこんなに泣けないんじゃないかな。
多分、声を押し殺して泣いてるだけだったかもしれない。
声に出すとどんどん溢れ出る。涙も、想いも。
『キミが好き』
出会ってからずっと想ってた。
言葉にしたくても、できなくて。
ただただキミを、胸に秘めて、想っていたんだよ。
──私の恋は、なんて儚いのだろう。