届かないこの想いを、胸に秘めて。
「で、2人はなにを……てダメか」
「……じゃ、内容は言わないけど言ってあげる!」
「お!さっすが和海様〜」
香奈恵ちゃんが手を合わせて和海ちゃんを崇める。
そして目が私に向けられてそれに頷いた。
「うっわ…………ヒド」
伝えると数秒前の香奈恵ちゃんとは正反対の香奈恵ちゃんがいた。
前を歩く彼女は肩を落として、時々私たちをチラッとみては同じことを繰り返す。
……香奈恵ちゃん……ごめんね。
私と和海ちゃんは同じことを香奈恵ちゃんに言っていた。
香奈恵ちゃんが肩を落とすのも分からなくもない。
だって香奈恵ちゃんは私たちを、私たちは自分のことしか願っていなかったのだから。
「まーまー、ごめんって!」
「香奈恵ちゃん、ごめんね」
「謝んなー!フン!」
おみくじの方へ走って行った香奈恵ちゃんの背中をみて、私たちはやれやれと顔を見合わせて笑った。