届かないこの想いを、胸に秘めて。





1月の2週目に早くも突入し、学校が始まった。



みんな以前と全く変わった様子はなく、顔を合わせる度に新年の挨拶を交わした。



窓の外はうっすら雲がかかった澄んだ色をしている。
それに綺麗だなと感じた。



「おはよう」

窓から外して右を見ると、笑顔の鴇田くんがいた。



「おはよう」

「そして、明けましておめでとう」


今年もよろしく!と変わらない笑みを向けて言った彼に私も同じように挨拶をした。



鴇田くんとはこの冬休みメールのやり取りをした。

新年を迎えると同時にメールが来て、それから何気ない日常の会話を。



神社にお参りしに行った時、鴇田くんもいたみたいで私たちを見かけたとその日の夜にメールが来た。


話しかけてくれればいいのにと思ったけど、鴇田くんは邪魔しちゃ悪いと思ったらしく来なかったんだって。



ほんと、彼らしいよね。


そんな彼は私を未だに想ってくれてるみたい。
メールを繰り返し返していくうちに伝わってきたから。



でも……。






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