届かないこの想いを、胸に秘めて。





「よーし!席つけ〜」


担任の先生こと寺司先生が着席している生徒に呼びかける。


尽かさず鴇田くんがツッコミをいれると「わざとだ!」とおどけて返すからみんなして笑った。




とうとうこの日を迎えてしまった。
月一の委員会の日。

この時間は私に苦しみを与える。




と思った。




……なんでだろう?

キミを見ても話しても全く苦しくない。



心なしかスッキリしている心にガッカリする。



……ガッカリ?

嬉しいの間違えじゃない?スッキリしているんだから。
そんなうしろめたい感情なんて何一つ思ってないよ。



わざと気付かないフリをした。それすらも気付かないフリをする。




もう恒例のポスター作りを早く済ませて自分たちのクラスへ貼りに行く。


貼り終わればその場で解散になるため、私は鴇田くんに手を振って教室をでた。




とにかく早く家に帰りたかった。
さっきからなんか寒気もするし、頭も痛いし……。




その瞬間グラッと視界が揺れた。


とっさに壁に手をつけるけど力が入らなくて、

後ろから私を呼ぶ声がしたけど、



そこで意識が途切れた。








< 246 / 306 >

この作品をシェア

pagetop