届かないこの想いを、胸に秘めて。
「よーし!席つけ〜」
担任の先生こと寺司先生が着席している生徒に呼びかける。
尽かさず鴇田くんがツッコミをいれると「わざとだ!」とおどけて返すからみんなして笑った。
とうとうこの日を迎えてしまった。
月一の委員会の日。
この時間は私に苦しみを与える。
と思った。
……なんでだろう?
キミを見ても話しても全く苦しくない。
心なしかスッキリしている心にガッカリする。
……ガッカリ?
嬉しいの間違えじゃない?スッキリしているんだから。
そんなうしろめたい感情なんて何一つ思ってないよ。
わざと気付かないフリをした。それすらも気付かないフリをする。
もう恒例のポスター作りを早く済ませて自分たちのクラスへ貼りに行く。
貼り終わればその場で解散になるため、私は鴇田くんに手を振って教室をでた。
とにかく早く家に帰りたかった。
さっきからなんか寒気もするし、頭も痛いし……。
その瞬間グラッと視界が揺れた。
とっさに壁に手をつけるけど力が入らなくて、
後ろから私を呼ぶ声がしたけど、
そこで意識が途切れた。