届かないこの想いを、胸に秘めて。
私はどうしようもなく馬鹿だと思う。
忘れたくても、諦めたくても、何度もキミを探して、想って。
結局、まだキミを想い続けてる。
その日の夜、親友2人にメールをした。
すぐ返信が来て自然と笑みを浮かべる。
メール欄にはこうあった。
【だろーと思った。がんばれ!】
これは香奈恵ちゃん。
【わー!ほんとに!?せっちゃん(٭°̧̧̧ω°̧̧̧٭)もう凄く心配してたんだからね!そっか。頑張るんだよ!私はいつでもせっちゃんの味方だからね!】
と思いに想いのこもった長いメッセージを送ってきた和海ちゃん。
ふたりともなんか泣いてる気がした。
もし泣いているのなら、それは嬉し涙だといいな。
これから私にはするべき事が3つある。
まず、鴇田くんに自分の思いを伝えること。
彼にはとても元気をもらってた。
だからこそ伝えないといけない。
次に、桃田さん。
……正直会いたくないし、顔も見たくない。
でも乗り越えるためには、何としても桃田さんに自分の想いを伝えないといけないと思ったから。
最後は、キミに。中村くんに直接告白をすること。
もう逃げない。立ち向かうって決めたから。……頑張る。
キミに『好き』って伝えたいから。
タイムリミットは、あと19日後。
それまで、待ってて──。
夜の空は灰色の雲が遠くまで広がっていたけれど、私にはとてもきれいに見えた。