届かないこの想いを、胸に秘めて。
「長田、さん?!」
「えっ」
その声に振り向くとなぜかキミがいた。
あれ?なんでいるの?
まさか本当にタイムスリップ……なんてことはないよね?
まるで恋をした日を再現してるように、キミが現れたから。
心配そうな顔で近付いてくるキミがもう一度尋ねた。
「う、ん。だいじょうぶ、です」
そう言った声は震えた。
……私、最高にドキドキしてる。
自分の中で大きく響く。もうキミにも聞こえちゃいそうなほど。
周りが静かだから余計大きくて、さらに加速していく。
……こんなんで、私ちゃんと伝えられるのかな?
小さな不安を抱き、今度は私がもう一度答えた。
震えずハッキリと声に出して『大丈夫です!』と。
「そっか。よかった……ってどこいくの!?」
「え、教室に……っ!?」
びっくりしてキミの顔を見た。そして、目線は下へ。
掴まれた手首が熱くなる。次第に顔も熱くなってきた。
反応に困っているとキミはあの時と同じことを言った。