届かないこの想いを、胸に秘めて。





「やー、小住さんだっけ?いい子だよね〜」

うっ。


「代わってもらうなんてラッキーだよね〜」

ゔっ。


だんだん目元がぼやけてきた。

それを見た和海ちゃんがバシッと香奈恵ちゃんの頭を叩いた。


「香奈恵っ!それ以上いじめるな!これ以上言ってみなさいっ香奈恵だけ招待してあげないよ!」


凄い剣幕で言った和海ちゃんは、今まで見た事のない表情をしていた。

……例えるなら、般若。


青ざめた香奈恵ちゃんはもの凄い勢いで頭を下げて、頭の上で手を合わせた。


その様子があまりにもおかしくて、私は笑みをこぼした。





まさか、帰り際に言った香奈恵ちゃんの言葉がこれから私の心を揺さぶるなんて、思いもしなかった──。








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