届かないこの想いを、胸に秘めて。
キミのうしろ
翌日、いつもと変わらない朝を迎えて、学校へ向かった。
相変わらず校舎内は賑やかでいた。
たぶん新入生の声だと思う。
まだ中学生の面影が残っててとても初々しいなと思った。
教室に着くと私の席で突っ伏した香奈恵ちゃんがいた。
綺麗な寝顔だなと思いながら、しゃがんで頬を突っいてみる。
いつもやられっぱなしだから。
「……んー」
閉じていた目をゆっくり開けて、小さく声が漏れる。
「香奈恵ちゃん、おはよ」
私は、ツンツンしながら挨拶した。
香奈恵ちゃんはまだねむそうな顔をして、こちらを見てくる。
いつも爽やかでかっこいい彼女は、とても無防備で可愛い表情をしてて。
これが本当に男の子だったら、今以上にモテるんだなと思った。