届かないこの想いを、胸に秘めて。




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中村くんへ

この手紙は私が伝えるために書いてきたものです。だから、最後までその場で聞いててください。
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チラッと目を向けると「はい」とふわりと笑っていた。

再び声に出す。



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ここに入学して2日後、私は遅刻しました。そして転びました。

その時誰も見ていないと思っていました。

でもそこには中村くんがいて、私を保健室まで連れて行ってくれました。

中村くん、その時はありがとう。
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そう言うとキミは「いえいえ」と笑っていたから、思い出しているのかなと思って恥ずかしくなった。



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中村くんのことを知ったのはそれからで。中村くんの姿を見つけたり、声を聞いたりするといつも心がドキドキしてて。

美化委員で一緒になったのは本当に奇跡を感じて、嬉しかったです。
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かなりの不安を感じながら、そう言って2枚目に入る。




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