届かないこの想いを、胸に秘めて。
あっという間に時は過ぎ、放課後になった。
今日は時間が早いなー、なんて思っていると香奈恵ちゃんも同じことを思っていたらしく
「今日はやっ」
と呟きながら廊下に出ていった。
それに尽かさず、和海ちゃんがツッコミを入れる。
「そりゃ、朝からずーっと寝てたんだから早いに決まってるでしょ」
ご最もです。
私は心の中で拍手した。
「えー、だって眠かったんだもん」
「どーせ、夜更かしでもしてたんでしょう」
「もちよ!音ゲーのイベ始まっちゃってさー」
Vサインを送る香奈恵ちゃんに私と和海ちゃんは顔を見合わせて、笑った。