届かないこの想いを、胸に秘めて。





目の前にキミがいる。


ドキドキが、治まらない。
とても苦しかった。

でも、キミの笑顔で癒される。ドキドキは変わらないけど。



「淳介、なにしてたんだよ」

「あー……」

「誤魔化すなって」

サナくんと鴇田くんがキミに攻める。

その様子を視野に入れつつ、先生の声に耳を傾けた。


あの頃と変わらない柔らかそうな黒髪、人懐っこそうな顔立ちに少しタレ目のキミが、今私の目の前にいる。


とても信じられなくて、夢なんじゃないかと思わせるくらい今の状況に胸が高まった。


昨日まで遠くから見ていた私の好きな人。

それが目の前にいるんだから。


わかる人には分かるだろう。今の私の気持ちが。







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