届かないこの想いを、胸に秘めて。






香奈恵ちゃんとは高校に入学して初めて友達になった女の子。

とても爽やかでかっこいいの。
なんといっても、容姿が美人で。宝塚にいてもおかしくないんじゃないかなって思うくらい。

平均より少し背の低い私にとっては物凄く羨ましい。


明るめの茶色のショートボブに切れ長な目をしている香奈恵ちゃんは、とにかくモテます。

特に女の子から。


去年のバレンタインなんか、男の子よりもすごい量を受け取ってたもん。多分だけど。
あの時の男の子の目、忘れもしない。




「雪菜、何笑ってんの」

「え、笑ってた?」

「うん、今の顔は気持ち悪いレベルだったよ」

き、気持ち悪い!?

私そんな顔して笑ってたの!?


恥ずかしくなって両手で顔を覆った。



「嘘だよ。もー雪菜可愛いな〜」

そう言って私の頭をクシャっと撫でられる。


……また、やられた。


香奈恵ちゃんは毒舌ってわけでもないけど結構思ったことを鋭く言っちゃう、とても素直すぎる女の子なんだ。

そして、私をいじるのが大好き、らしい。






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