届かないこの想いを、胸に秘めて。
雨のジンクス
5月中旬にさしかかった。
外は雲一つない晴天だというのに、私の心には雲がかかっている。
それは今日、美化委員会の集まりだから。
ううん。違う。
あの時からキミの言ったひとことが心の中に居座ってて、ずっとぐるぐるしてるの。
……会いたいけど、会いたくない。
はあ、と大きなため息を一つ吐くと「じゃね!」と二つの声が重なってかけられた。
スクバに教科書、ノートをしまっている手を止めて上を向く。
「うん、またね」
くらい表情を表に出さないよう2人に笑った。
けど2人には見抜かれてしまったみたいで、心配されてしまった。