届かないこの想いを、胸に秘めて。
今だってニヤッとさせながら私にちょっかい出してくる。
ツンツンと脇を突っついてくるから、私は変な動きをして避け続けた。
反抗しようと香奈恵ちゃんに立ち向かったその時、ドア側から大きな声が響いた。
教室にいるみんなが一斉にそっちに顔を向けた。
そこには、両腕を突き上げたもう一人の親友がいた。
私たちを見つけるなり、短い距離を突っ走てきて香奈恵ちゃんと私に抱きついてきた。
「やーん、嬉しすぎるんですけどっ」
「和海、っやめろ」
「和海ちゃん……っくるし」
ギューッとキツく抱きついている、もう一人の親友、和海ちゃんに私たちはギブアップの声を上げた。