届かないこの想いを、胸に秘めて。





昇降口へ向かう途中、私はお手洗いに寄ると香奈恵ちゃんに伝えて、近くで待っててもらうことに。


自然と大きなため息が出た。

中からいやなものを吐き出すかのように。


でも、中の奥にあるズシリと重い塊は残ったままで。




……一体、いつになったら軽くなるんだろう。


もし、私に勇気があったら、この重い塊は消えてたのかな?

……たぶん、消えてるかもしれない。



じゃあ、どうやったら勇気がでる?


私は何度も思って、何度も願った。
どうやったら勇気が出て、秘めた想いを伝えることができるか。



それでも、私はズルズルとここまでやって来てしまったんだ。

ほんと自分が情けない。






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