届かないこの想いを、胸に秘めて。
「あ、ごめんごめん!まさか同じクラスになれるなんて思ってもみなかったから」
テヘッと笑う和海ちゃん。
和海ちゃんこと大倉和海(オオクラナミ)ちゃんは私が小学生の頃からの友達。
中学は離れちゃったけど、2人で約束をして見事一緒の高校で再会することができたの。
あの時はとても嬉しかったな。
「あ、また変な顔してる」
そう言って香奈恵ちゃんが私の頬をぷにっと突っついた。
……また、からかわれてる。
「もー、やめてよっ香奈恵ちゃん!」
今度こそ反抗しようと香奈恵ちゃんの頬をめがけて手を伸ばした。