届かないこの想いを、胸に秘めて。





いつの間にかそのまま寝てしまったらしく、外はオレンジ色に少し灰色がかかった雲がみえた。


……雨、止んだんだ……。


まだ降ってればいいのに。
この想いごと、流すくらいの雨が、降り続ければいいのに。


涙の跡がないか、鏡で確認して、机も確認した。

机はなんとか無事だったけど、顔は酷かった。

涙の跡が目の周りを強調してて、目が真っ赤だった。




隠すこともできなさそうだけど、なんとか長くなった前髪で顔を隠す。


すると、廊下からふたつの声と足音が聞こえてきた。







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