届かないこの想いを、胸に秘めて。
亀裂
翌朝、重いまぶたを無理矢理開けて、体を起こし手を伸ばしてカーテンを引いた。
灰色の世界が広がっていた。
「……今日も、雨なんだ」
雨を見るとさらに気持ちが暗くなった。
どうやったら、晴れるのか寝る前に考えてみた。
けど、分からなかった。
多分、答えは簡単なのかもしれない。
……でもそれは、私には難しい。
制服に着替えた私は、大きなため息とともに、重い足取りで洗面所へ向かった。