届かないこの想いを、胸に秘めて。




「っ、なんで雪菜が泣いてんだよ!」

初めて怒鳴った香奈恵ちゃんに肩がビクっとした。



「なんで、っ雪菜が泣いてんのよっ!」

こっちが泣きたいくらいなのに、と机を叩いた。




「かなえちゃ、っ……ごめ、」

「…………もう、いいよ」


私と目を合わせず、ポツっと呟いて教室を出て行った。






…………終わった。


私の世界は一瞬にして暗闇に埋もれた。


涙が最悪なことに、一つも出てこなかった。

それよか、笑っていることにびっくりしている。


自分が馬鹿すぎて。自分が勝手すぎて。嫉妬まみれで。


こんなにも大切な親友を……私はっ、わたしはっ……!




酷く傷つけてしまったんだっ。








< 79 / 306 >

この作品をシェア

pagetop