届かないこの想いを、胸に秘めて。
「っ、なんで雪菜が泣いてんだよ!」
初めて怒鳴った香奈恵ちゃんに肩がビクっとした。
「なんで、っ雪菜が泣いてんのよっ!」
こっちが泣きたいくらいなのに、と机を叩いた。
「かなえちゃ、っ……ごめ、」
「…………もう、いいよ」
私と目を合わせず、ポツっと呟いて教室を出て行った。
…………終わった。
私の世界は一瞬にして暗闇に埋もれた。
涙が最悪なことに、一つも出てこなかった。
それよか、笑っていることにびっくりしている。
自分が馬鹿すぎて。自分が勝手すぎて。嫉妬まみれで。
こんなにも大切な親友を……私はっ、わたしはっ……!
酷く傷つけてしまったんだっ。