届かないこの想いを、胸に秘めて。





まだ7時台だというのに、私は体を起こした。

いつも休日は9時まで寝ることにしているんだけど。

考えるとどんどん深くなって、目が覚めてしまった。




「……はぁ」

立ち上がらず、ベッドにかけながら大きな息を吐いた。



このまま香奈恵ちゃんとは元に戻れないのかな……っ。




「っ、やだ、な……っバカだな……」


ごめんね。ばかで。
香奈恵ちゃんが悪いんじゃないのに、勝手に嫉妬して、避けて。

…………ごめんね。


太ももに乗った手に、涙がポツポツと静かな音をたてて落ちた。








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