届かないこの想いを、胸に秘めて。





話の内容はだんだんと逸れていって、恋バナに突入してしまった。

もう0時はとっくに過ぎてる。


それでも、私たちは寝につかないで話し込んでいた。



「ねー、せっちゃん!なんで中村くんなの」

身を乗り出して聞いてくるから、私は身を思わず引いてしまう。


うぅ。なんでって言われても……。

初めて会ったのは入学して2日後で。
でも、圧倒的にわかるのは……。




「…………ひ、ひとめぼれ?」

口に出して言うのはかなり恥ずかしいけど、半ば投げやりになった心はそんな言葉を出した。


案の定、和海ちゃんは手を口に持っていって「キャー」なんて声を出していて。

私はとっさに和海ちゃんの口覆った。








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