星の願いは?
〝何やってんだ…?さっきまで寝てただろ…〟

寝ていたはずの少年が、勝手に台所で調理している…こちらに気付き、ニコニコ笑う

「もう少しで全部できるよ~座ってて」

〝ああ…食材あったのか…いや違うだろ…〟

「お前…起きて大丈夫か?」

「うん!大丈夫だよ~!…予想以上に疲れたから寝ちゃった!ノボルが抱えてくれたし、ありがとね!」

〝まぁ…平気ならいい…面倒はごめんだ…〟

完成した料理をテキパキと小さなテーブルへ運ぶ

「お待たせー!あと、もうお塩無くなったよ~じゃあ、いただきます!」

〝…そういや塩少なくなってたな…てかお前も食べるのかよ…〟

「どうしたの?“腹へった”って聞こえたよ?」

「……いただきます」

〝…美味いな…どうでもいいが…誰かと一緒に食事するのは久しぶりだ…実家でも両親が離婚する前だろうが大概…一人で食べてた……〟

〝…なんか…暖かい…〟

「どう?美味しい!?」

〝…聞こえるんじゃなかったのか?〟

「うん、でも聞いてみた!」

〝っ……コイツ…〟

「……美味いよ」

「エヘヘ~♪ありがとう!それとね~ボクはもう“コイツ”とか“お前”じゃ無いよ~“シホ”だよ~ノボルが付けたっ!」

〝…気に入ったのなら…まぁいい…
だが…うるさい…〟

「最初にも聞いたけどボクの願いって何かな?」

〝…知らん…自分で考えろ…〟

「じゃあ、ノボルの願いは?何も願ってないって言ってたよね!」

〝…俺の願い?……何だ?…パッと出てこない…〟

「じゃあ!無い者どうしって事で願い探しにしよう!決まりっ!宝探しみたい~!」

〝…勝手に決めるな…うるさい…まったく…空腹も満たされ……疲れた…今はとにかく…ただ眠い…寝たい…〟

「片付けはしておくから~!ノボル、おやすみ~!」

〝…ここは言葉に甘えるか…目を閉じればすぐに寝そうだ…〟


「おやすみ…シホ…」

「うん、おやすみ!ノボル!」



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