星の願いは?
願い探し
目覚ましアラームではない、携帯の着信音で目が覚めた…

〝誰だ?今、何時だ?〟

AM10:35 着信 母

「もしもし…」

「もしもし、昇?調子どないで?風邪ひいてへん?」

〝…大学に入ってから、まめに連絡してくる…親心ってヤツか?〟

「…大丈夫、ひいてへんよ…どないしたん?」

「江場さんちのおじいちゃんから、みかん貰ったんやけど、私しかおらん言うとるのに段ボール3箱もくれて、食べきれんからソッチに送ったよ!まだ昇が家にいてるって思ってるみたいやわ、ボケ出しとるんかな?」

「…まだそんな歳ちゃうやろ…あの人…優しいから…まだ届いてないけど…食べる…俺からもありがとうって言うといて…」

「…昇のその短調な喋り方、誰に似たんやろな?私も別れたあの人も、そんな喋り方せんかったのに…」

〝…両親の喋り方…口を開けばケンカばかりしてた記憶しかない…〟

「…さぁ?俺もわからへん…」

「ところで、彼女の一人くらいできてんの?」

「…ほんなん…いてるわけな…」

「んっ……ん…ノボル?」

〝…シホの存在を忘れていた…一人暮らし…この部屋…いつもは俺だけ…いつから隣で寝てたんだ?…どうでもいいが…何でこのタイミングで起きるんだよ…〟

「えっ!日曜やから電話したけど…昇、今誰かとおるの?なんか女の子みたいな声聞こえたやん!もしかして彼女?」

「いや…違う…今のは…」

〝…少しだけ黙ってろよ…〟

「おはようっ!ノボル!」

〝…うるさい…静かにしてくれ…〟

「元気な子やな!私、話してみたいわ~」

〝…まぁ声だけなら女の子にも聞こえるか…やれやれ…もうどうでもいい…〟

シホへ携帯を渡す
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