新月の王 Ⅰ
「迷惑かけてごめんなさい」


さすがに今回の件は迂闊だった。調子に乗ってたのかもしれない。それに戻ってきたと言う情報から焦ってたのもある。


どうして言われなければ分からないのか。


ほんとバカだな・・・。


「玲央・・・無茶をするな。お前は生きてる。二度と命で遊ぶんじゃねぇ」


私の命なんてどうでもいい。


生きてる。確かに息はしてる。


何の為に、なんで私は生きている?


どうして神様は私を生かしている?


そんな愚問、何度もしてきた。意味も分からずただ息をしている。ある目的の為だけに、あの日から変わらない事実だ。


チキンレース・・・命で遊んでるつもりはなかったけど結果柊哉の言う通りだ。相手にも家族はあるし大事な人もいるだろう。私の気まぐれで遊んで言い訳がない。


それに周りに、みんなに迷惑をかけるのは不本意だから。


「・・・ごめん」

「次やったら・・・監禁してやるから覚悟しとけよ」

「・・・」


ニヤリと笑う妖艶な笑み・・・不覚にもドキッとしてしまったのは胸の奥底に沈めてしまおう。
< 103 / 103 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop