新月の王 Ⅰ
そんな怪しげな雑誌は横のおいて黙って食べよ。何故なら視線が突き刺さるように痛いから。



なんでそんなに見るんだ?



そりゃね?確かにね?



怪しいとは思うよ。



だけどさ・・・その視線グッサグッサ突き刺さってるからね。



居心地悪すぎなんだけど。



「はぁぁぁ」



深い溜息を吐くも、さっさと食べて早く眠ってしまおう。



現実逃避作戦始動



モグモグ



モグモグ



カフェオレにストローを刺してちゅーっと吸うと



「あまっ」


「甘いの嫌いなのか?」


「ひっっ」



気が付けば私の目の前で屈んでる金髪男。



ってかどんだけ気配消して近寄ってんの?怖すぎるでしょ。



「あっちで一緒に食べよっか?」


「・・・は?」



ニヤリと笑うその甘いマスク、綺麗な顎のライン、限りなく肌蹴たシャツから除く胸元から色気がムンムン甘い香りに包まれて、さっきの雑誌が蘇る。



ボッ



気が付くと身体が宙に浮いて、ストンと優しく落とされたのは黒い集団の中。
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