新月の王 Ⅰ

俺らの住むこの街は関東No,1の俺らが所属する「関東龍神連合」の縄張り。隣町にはNo,2「四蛇連合」の縄張りがある。白蛇は四蛇連合の一つのチームだ。


海沿い東の街に位置する俺ら「関東龍神連合」は、通常“五龍”と言われる、黒龍、青龍、赤龍、黄龍、白龍の５つのチームがこの馬鹿でかい街を統治している。


五龍のメンツは１３歳から１８歳までと決まっていて、１８歳、つまり高校卒業と同時に引退するのだ。


五龍の幹部は引退後、関東龍神連合のトップのチーム“龍神会”の幹部を１年間務め、五龍時代の総長は“龍神会”の副総長になるのが決まりだった。


関東龍神連合は、硬派で筋の通った族だと思う。売られた喧嘩は買うし、仲間の為なら徹底的に戦うがこちらから手を出す事は一切ない。薬、武器、レイプ等犯罪や一般人に手を出すメンツには恐ろしい罰則がある程、ヤバイ事も卑怯な事もしない。だから卑怯な族が喧嘩を売ってきたら、雑草一本生えないほどに、徹底的に潰すのが暗黙のルールになっている。


そして五龍を動かすことが出来るのが黒龍の総長と龍神会の総長のみなのだ。ただ違うのは、俺が動かせるのは五龍のみ。龍神会総長が動けば、連合が動く事になる。


龍神会の総長は代々公表されない仕組みになっている。だから通称は“龍王”と呼ばれている。龍王を知っているのは龍神会の元総長及び現副総長の5人しか知らないと言う。