新月の王 Ⅰ
~4年前~
学校が終わって塾までのわずか5分の道のりをわざわざ迎えに来る兄の後ろに乗って
「お兄ちゃん迎えはもういいよ」
「は?何言ってんだ?」
「塾ぐらい近いんだし一人で行けるよ」
「だから?」
「・・・だから?」
「そんなの俺が聞くと思ってんのか?」
「・・・だって」
「どうしても一人行くって言うなら、塾辞めっか?」
「は?どうしてそうなるの?」
「どうもこうもねぇ。ダメなもんはダメだ。分かったら諦めて早く行け。帰りまた来る」
「・・・」
「返事!」
「・・・はい」
「お前、一人で帰ったらどうなるか分かってんだろうな?」
「・・・分かってるよ」
「ならよし。行け」
最後はいつもこうして、にっこり笑って頭ポンポンされて、上手い事言って交わされて、結局何を言ったって聞いて貰えないんだ。
学校が終わって塾までのわずか5分の道のりをわざわざ迎えに来る兄の後ろに乗って
「お兄ちゃん迎えはもういいよ」
「は?何言ってんだ?」
「塾ぐらい近いんだし一人で行けるよ」
「だから?」
「・・・だから?」
「そんなの俺が聞くと思ってんのか?」
「・・・だって」
「どうしても一人行くって言うなら、塾辞めっか?」
「は?どうしてそうなるの?」
「どうもこうもねぇ。ダメなもんはダメだ。分かったら諦めて早く行け。帰りまた来る」
「・・・」
「返事!」
「・・・はい」
「お前、一人で帰ったらどうなるか分かってんだろうな?」
「・・・分かってるよ」
「ならよし。行け」
最後はいつもこうして、にっこり笑って頭ポンポンされて、上手い事言って交わされて、結局何を言ったって聞いて貰えないんだ。