新月の王 Ⅰ
「お兄さんあそぼ~よ」

「ふっ」

「余裕だねぇ」

「・・・ったりまえだろ」


笑いながら蹴りを入れてきたから足を取り、回し蹴りを鼻に入れ、抱え込んでる足を折る。


ボコッ


バキッ


「ウウッ・・・ギャーーッ」

「なんで急所外したか分かるか?」


一段と低い声でそう聞くと、何も答えず痛みに苦しんでる顔を覗き込んだ。


「気絶しちゃったら痛みが分かんねぇだろ?」


にやりと笑いながら一発顔を殴ってみる。


グエェッ


「さっきの威勢はどこ行ったんだ?」

「・・・てめぇっ何者だよ」

「さあねぇ」


その間にもう一人の男が蹴りを入れてきたから、さっきの男で受ける。


ボコッ


ゴフッ


「あ・・・」


「あらら、仲間どうしでやっちゃったよ」

「てめぇっ」


こいつは一発で沈めるか、弱そうだしな・・・


バキッ


回し蹴りで急所を狙って一発落ち。


「んで?お前・・・ワタルって知ってっか?」

「・・・」


答えないなら殴るしかないね。


ボコッ


ゴフッ


「知ってっか?」

「っ知・・・っらねぇ・・・誰・・・っだ」

「じゃあいいや。お前弱ぇのにこんな物騒なとこで喧嘩してっからこうなるんだよ。おやすみ」


バキッ


「ギャッ」


もう一本腕を折ったら気絶しちゃった。弱いくせに青龍に喧嘩売ろうなんて勘違いも良いとこだな、白虎か・・・潰れんのも時間の問題ね。
< 42 / 103 >

この作品をシェア

pagetop