新月の王 Ⅰ
「なんか何事もなかったように走っていったらしくてさ?紫蛇の奴らが朝から集まってるらしくて、今日は青龍も忙しいみたいだな」

「んじゃあ、あっちはしばらく荒れんなぁ」

「だな」

「・・・ふーん」


荒れる。どんな風に荒れるんだろうか、奴は出てくるかな?


「碧、ヤラれたのは誰なんだ」


さっすが柊哉、それ私も気になってたよ。


「んー幹部の一人紫蛇のNO,3の真也って奴らしい」

「そりゃ荒れんな」


あれ?さすがに青龍の縄張り内ではヤバイと思ったかやらなかったのに、やっぱり青龍も動いちゃう?まぁ痕跡残してないと思うから見つかりっこないと思うけど。


柊哉が携帯で電話をかけていて、珍しい事もあるもんだ。いつもなら碧にさせるのにね。


「柊哉って電話するんだね」

「ぷぷっ」

「ぶはっ」

「玲央ちゃん」

「玲央の誘いなら俺も受けてやってもいいぞ?」

「ない」

「相変わらずはやいねぇ玲央ちゃん」

「大和ウザい」


こそこそ話してると、柊哉がギロリとこちらを睨むと、碧がしーって口の前に人差し指をあてた。
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