新月の王 Ⅰ
「・・・っ」

「痛がってるふりすんじゃねぇぞっ」

「・・・チッ」

「お前は何回言やぁ分かんだおいっ」

「・・・」

「お前はバカかっ!バカなのかっ!間違いなくバカなんだよなぁごらぁっ」

「・・・・・・さい」

「あぁ?」

「五月蠅いなぁ」

「あぁっ?五月蠅いだとぉ?」

「バカバカバカ何回も五月蠅いって言ってんのっ!」

「・・・」


あ、ヤッちゃった・・・。


ブチッ


ブチッブチッ


零二さんの血管が数本切れた音がしたような・・・。


「いや、あのっ零二さん?」

「おめぇ俺がなんで怒ってんのか分かってんのかっ」

「・・・たぶん」

「なら話は早えぇな。バイクのキー全部よこせ」

「え・・・やだっ」

「お前に拒否権なんかねぇ」

「・・・」

「何回目だこれで、あぁ?」

「・・・」

「言えっ!何回目だって聞いてんだよっっ」

「・・・数えきれません」

「そうだよなぁ?もう無理だろ?」

「・・・」


零二さんヤバいな。今回まじか?
いやいやそれはちょっと困るんだけど。
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