新月の王 Ⅰ
「んで、後はつけられないように家に帰った」

「おめぇは、っとに何やってんだ」

「でも、証拠は残してない」

「あぁ?」

「カメラないとこ通ったし」

「だから?」

「大丈夫なはず」

「だから甘ぇぇって言ってたんだよっ!アホがっ!」

「・・・」


何が甘いのかちっともわかんない。じゃあ何?鉄パイプでヤラれてたから良かったの?


「分かんねぇようだから教えてやるが、おめぇ昨日何乗った」

「・・・」

「言え」

「・・・KATANA」

「おめぇ何歳だ」

「・・・」

「言え」

「・・・16」

「あのKATANAは中型か?」

「・・・・・・」

「おい」

「・・・大型で・・・す」

「おめぇ免許は」

「・・・中型です」

「なんで16のおめぇが1100を乗れるんですかぁ??」

「・・・・・・ごめんなさい」

「謝って許されるとでも思ったかぁ?ああっ?」

「・・・」

「俺も舐められたもんだなぁ。おぉっ?」

「・・・」

「俺理事長なんだけど?おめぇの保護者なんだけど?」

「・・・はい」

「だからバイクは反省するまで乗らせねぇぞ」

「・・・400以下は」

「あぁ?」

「・・・いえ」


はぁ。マジか・・・なんも出来ないじゃん。なんだかもうどうでも良くなってきたわ。


自業自得なのは分かってるけど・・・でもさ・・・。
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